前回公開予定だったTID-1(改)の詳細です。
とは言っても、左図をご覧になればお分かりいただけ
るようにTID-1のアイピースを取り外し、フードを畳ん
だ状態でピントが合うルーペに交換しただけです。

コンパクトデジカメは使っていて非常に困る事があります
。それは光学ファインダーではパララックスや撮影情報
が非表示であり、いきおい液晶モニターでフレーミングも
してしまうわけですが、明るい所では液晶モニターが見
にくく場合によっては何も見えなくなってしまうことです。

液晶モニターが見にくくなるのは単にバックライトが暗い
と言うよりも、むしろ目に直接入る光線によって瞳孔が閉
じられてしまうことによります。
これはデジカメに限ったことではなく、普通にカメラを使っ
たことが有れば必ず経験している事です。



 そういう場合の対処方としては目に直接入る光線を遮
 ることで、通常はアイカップを装着することが最も効果
 的ですが、応急的には手や帽子などで遮ることでも十
 分効果が得られます。

 ところで液晶モニターの場合はアイピースが無いので、
 画面を見るためにはピントが合う距離まで顔から離さな
 ければなりません。
 たとえ液晶画面の周りにフードを付けたところで前述の
 理由により真順光以外では焼け石に水。

 そこでアイピース付のフードが必要となるわけです。
 このTID-1は多分そういった理由で開発されたものと
 思います。実際に装着してしてみると実に画面が見や
 すくなり、液晶モニターをファインダー代わりに使うこと
 もできます。
 ところが、液晶画面をアイピースで直接拡大して見るた
 め倍率が低めに設定されており、カメラ背後にかなり長
 く突出してしまいます。その長さは顔とカメラの間に中
 途半端は距離を開けてしまいホールド感が損なわれま
 すし、なんといっても邪魔でしょうがないのです。
 尤もTID-1無しで液晶モニターを見るよりは断然良い
 のですが。
 でも、どうせなら邪魔にならずキチンとカメラホールドが
 できるようにしたいものです。
 しかし、倍率を上げて接近すると液晶のドットがモロに
 見えてしまい、見にくくしてしまいかねません。




どちらを優先させるかは各人夫々の判断で違ってく
ると思いますので断定はしませんが、私はとりあえ
ず手元に有ったルーペを使ってみることにしました。

TID-1に付いているアイピースは捻れば簡単に外れ
ますので、外したあとへルーペを捻じ込みます。
使ったルーペは円筒ですが丁度よく収まりました。
TID-1を折りたたんだ状態でピントが合うようにルー
ペの位置を調節します。
これでフードの全長が半分になり、折りたたんで剛性
が高まったことと相まって密着感が向上し、ホールデ
ィングは良好です。
ただし、使ったルーペの倍率が10倍もあるためドット
はモロ見えで画面の四隅も多少見にくくなりました。
それでも上下左右の辺々は見えるのでフレーミング
に支障はありませんし、AFの合焦も分かります。





人によって意見は分かれるでしょうが、殆ど見えな い液晶画面で闇雲にシャッターを切るよりは、キチ ンとしたホールドでフレーミングとフォーカスを確認 してシャッターが切れる方が遥かにマシだと私は思います。

さぁこれで出来上がりと思っていましたら、突然フードがポロリと取れてしまいました。
ルーペで重くなった為、両面テープでは支えきれなくなったようです。
そう、このTID-1はカメラへの取り付けに足(シュー)を両面テープで貼り付けるのです。
そこでカメラ側に貼り付けるシューをボディに接着してしまいました。
さぁこれでOKかと思いきや、何とこんどはハウジングに入らなくなってしまったのです。
そうです、接着したシューの突出が当たるのです。
で、ハウジングの背面に穴を開け、当たりを回避する事にしました。
この穴を塞ぐのに10mm厚の板を使ったのですが、これがまた一石二鳥。 ハウジングに合わせて作ったハズの水中用ルーペ、実は焦点位置が合っていなく て10mm後退させることによって見事に修正ができてしまったのです。
まさに手作りハウジングの勝利、これはメーカーのマスプロダクツでは絶対に出来ない個体進化です!



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